私は軽いアル中である。ほぼ毎日のハイボール晩酌、さらに私の職場や取引先はその性格上飲み会も多く、痛風や糖尿持ちの村と化しており、現在の職場に異動させられてから尿酸値が7.0を下回ったことがない。そんな我が家の酒代はある意味固定費と化しているが、削減に向けての取り組みは始めており(主に妻氏が)、その記録を示す。基本的に飲み会代は取引先や会社内の懇親会であり、経費で落ちるため入れていない。たまの個人的飲み会は記録と記憶がないので、あくまで家における晩酌代である。
1.酒代の推移
計測期間 | 30か月 |
総合計(円) | 257,853 |
平均(円/月) | 8,317 |
我が家ではジムビームと炭酸の組み合わせによるハイボールが定番メニューで、上記金額には酒代と炭酸代が合算で計算してある。我々夫婦は酒好きで揃って晩酌していたが、上記グラフのオレンジポイントで子供ができたため、そこから妻氏が戦線離脱し、私が一人ビームを継続する事となった。しかし妻氏の離脱により実質的に消費量が半分になったため、酒代が50%減となった。いきなり大きな成果である。
こうしてみると以下の記事のように健康保険の増額を嘆くよりも、酒を減らした方が家計にも健康にもいいし、酒が原因の病気で逆に健康保険組合が圧迫されているのではないかという、ぐうの音も出ないほどの正論はとりあえず棚上げしておく。
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次に私の取り組みを説明する。
2.アルコール摂取量の測定
上記グラフの緑ポイント②、昨年の11月までは気の向くままに晩酌をしていたら3日程でウイスキー1瓶が無くなった事がある。このように今どれくらいまで飲んだのかを把握していないと際限なく飲んでしまうため、飲む度に記録を付ける事にしたのだ。以下は記録を元に算出したアルコール摂取量(推定値)のグラフである。
①私の適量目安:アルコール換算で40g:ウイスキーダブル2杯。80g以上は飲み過ぎライン。
②記録方法:ビールなら350ml1缶で、ウイスキーならシングル1杯を飲んだ時点で「1」とカウントしていく。その数字と、ビール、ウイスキー、焼酎などのアルコール含量から、摂取したアルコールの推定値を記録していく。飲み会は覚えている範囲で記録をしていく。
適量が何故40gなのか。その根拠は薄弱であるが、以下である。
飲酒とJカーブ (提供元:厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-001.html
アルコール摂取量が1日23g未満の男性は総死亡でみると相対的に最もリスクが低くなり、40g程度だと相対的リスクは1.0程度、さらに我々の家系は酒には弱いが、酒好き家系で肝臓疾患にかかった人もいないという楽観的な理由で40gを適量と決めた。
ちなみに飲み過ぎラインである80gを超えているポイントは全て飲み会である。
3.アルコール摂取量測定の成果
①測定期間中の適量摂取日
測定期間 | 180日 |
摂取量40g以上 | 92日 |
摂取量40g以下 | 88日 |
うち休肝日 | 29日 |
おしい。適量摂取量日と休肝日を合わせた日数は88とぎりぎり50%に届かなかった。しかし休肝日は週に1回はとれている。これは人類にとっては小さな一歩でも、私にとっては大きな一歩だ。測定前には休肝という文字は私の辞書には存在しえなかったのだから。
記録する事で適量を意識し、これ以上は飲まないようにしようという意識が芽生えたのは家計にも健康にもいい事である。
②測定期間前後の酒代比較
測定前6か月 | 42,514円 |
測定中6か月 | 33,785円 |
差額 | ▲8,729円 |
差額(月換算) | ▲1,454円 |
数字だけ見ると、月ジムビーム1本分は削減できている計算だが、この結果はまだまだデータが足りない。測定期間の中で、年末、正月、歓送迎会という飲み会ラッシュがあったため、アルコール摂取は会社の経費で行ったことになり、家での晩酌が測定前6か月よりも少なかっただけなのかもしれない。金額に関しては今後も調査を継続する。
③休肝日がやばい
今まで休肝などしてこなかったが、その効果は素晴らしい。まず目覚めがすっきり爽やかで、まだ寝てたい感覚が続くあの瞼が重い感覚が無いのだ。さらに体が軽い。2日間連続で休肝した次の日などは腎臓あたりに鉄アレイが入っていたのではないかという位、軽快に出勤できる。酒を飲む習慣が無い人も休肝したくなるくらいだ。
とは言え私もセルフコントロールが苦手な人間。ここ最近は仕事のストレスから晩酌で飲みすぎる事が多く、一昨日まで連続飲酒記録21日を達成してしまったのである。昨日はさすがに休肝であったが。
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4.まとめ‐酒代削減取り組み途中経過の感想
①母は強し
一番削減額が大きかったのは妻氏がぴたっと酒を辞めた事によるものだ。私は到底できない意志の強さである。
②アルコール摂取量測定については日々の意識改革に一定の効果がある可能性
意識は多少変わるが、酒代への直接的な効果は今後も継続調査が必要。
③飲み過ぎはやっぱり体に悪い
「人の世に楽しみ多し然れども 酒なくして何のたのしみ」と詠ったお酒好き好き大好きポエマー、若山牧水も1日1升の日々を過ごし、43歳で「酒ほしさまぎらはすとて庭に出でづ庭草をぬくこの庭草を」と遺し肝硬変で亡くなった。私の父も祖父も左利きだが、父はMRIで「脳が委縮している」と診断を受け、祖父も動脈瘤を患った(どちらも存命である)。
酒好き諸兄もたまの休肝で翼を授かった方がいいかもしれない。特に翌日の出勤が憂鬱な日曜がお勧めだ。お酒は美味いし、面白い。末永く晩酌できるように、適量摂取になるかはわからないが、家計にも健康にも配慮して適度を意識して飲みましょう。