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アトピー性皮膚炎へのヒルドイド処方の保険適用継続を切に望む

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医薬品の保湿剤ヒルドイド美容目的で利用されて医療費が増大しているためヒルドイドを保険適用から外す動きが出ています。問題となっているのは保湿剤の単独処方であり、アトピー性皮膚炎などステロイドと同時処方される場合に関しては一定の配慮が必要であるという見解がだされていますが、このような動きが出てくること自体が、ヒルドイドを処方されている側としては不安になります。

私の子供に対してもヒルドイドを使用しておりますが、我が家はアトピー(もしくは卵アレルギー)による皮膚疾患に対して、ステロイドと併用する形で小児科から処方されています。ここでは今回の騒動における問題点と、ヒルドイドと配合割合が近い市販薬についてユーザー目線で整理していきたいと思います。

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何が問題とされているか

  • 健康保険組合連合会 医療保障総合政策調査・研究基金事業 政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅲより

健康保険組合連合会(以下健保連)は各会社や地方自治体で組織されている健康保険組合からなる連合会で、医療制度改革や医療費抑制に向けて健康保険の利用状況を調査し、国民が適切な診療を受けられる様に事業を行っている団体です。

その健保連が平成29年9月において以下リンクの提言を行っています。

http://www.kenporen.com/include/outline/pdf/chosa29_01.pdf

P76 「課題3 保湿剤処方のあり方」

そんな中提言されたのは以下の点です。

• 外来診療において、皮膚乾燥症に対して保湿剤(ヘパリン類似物質または白色ワセリン)が他の外皮用薬または抗ヒスタミン薬と同時処方されていない場合には、当該保湿剤を保険適用から除外する。
中長期的には、海外の保険収載の状況や一般用医薬品の流通の状況等を踏まえ、保湿剤の処方そのものを保険適用外とすることも検討すべきである。

• 上記の政策を実施した場合に削減が見込まれる薬剤費は、前者では年間約93億円後者では年間約1,200億円と推計される。

この背景としては以下になります。

保湿剤の処方を巡る問題点
美容目的による「ヒルドイド」等の処方の流行– 美容に関心の高い女性の間で、皮膚科等に受診し「乾燥肌(皮脂欠乏症)」等の訴えにより「ヒルドイド」(各種タイプ、後発品含む)を化粧品代わ
りに処方してもらうことが流行している可能性が高い。

• ファッション雑誌や美容雑誌等において、過去10年程度に亘り「ヒルドイド」が美容アイテムとして紹介されている。

• ファッション・美容に関する消費者行動に影響を持ち得る芸能人、モデル、ブロガー、美容形成外科医等により、 ブログやソーシャルネットワークサービス(SNS)等を通じて「ヒルドイド」を美容アイテムとして紹介している実態がある。

• 美容目的で「ヒルドイド」等を処方してもらうことを勧める記事や、処方される方法を説明する記事も見られる。

要約するとこんな感じです。

・保湿剤の処方により医療費が増え過ぎ。

・皮膚病でもなく美容目的で保湿剤が処方されている人がおおいのでは。

・美容目的での使用を煽っている連中がいる

・保湿剤だけの処方が金がかかるのでやめた方がいい。そもそも欧米では保湿剤は保険適用外だからそれに合わせたらもっと節約できる。

つまり治療が必要な患者さんのために有効に医療費が使われるよう、適切な薬の処方をしましょうといっているわけです。

メーカー側からのお知らせ

一方ヒルドイドを製造している株式会社マルホのニュースリリースです。

健保連の提言後の10/18にプレスリリースされています。

2017/10/18「ヒルドイド」の適正使用に関するお知らせ

https://www.maruho.co.jp/release/nek5p40000002jko-att/20171018_pr_jpn.pdf

【私なりの要約】

・美容目的でヒルドイドの使用を推奨しているとみられる情報がある。

・マルホは当該情報元に対して再三の注意を行っている。

・ヒルドイドは医薬品であり、副作用のリスクから医師による適切な処方の元で使用を推奨している。

・今後も美容目的の使用推奨が続く場合は厳正に対処する。

国への施策提言に自社製品が名指しでさらされる、これってかなり大きい事だと思います。私だったら「あなたの会社は顧客(医師、薬剤師、看護師)に対してちゃんと製品の説明してるの?その薬ほんとに大丈夫なの?」と言われている様な気がします。それはゆくゆく製品の販売実績にも響いてくることだし、なにより病気でもない人に処方し、副作用が出た場合は訴訟リスクもあります。そうなるとヒルドイドの販売自体がストップしてしまう可能性もゼロではなさそうです。

恐らくマルホとしてはそれは死活問題だと、私はそう考えます。なぜならマルホの医薬品事業売上の50%以上がヒルドイドだからです。

平成28年度有価証券報告書

https://www.maruho.co.jp/sp/aboutus/corporate/financial/rvcck40000006gb5-att/securities_67_f_1.pdf

これによると医薬品事業の売上は700億円です。

また事業上のリスク(上記リンクP11)についても考察しています。

4 事業上のリスク

~中略

(5)特定の製品への依存に関するリスク

主力製品である血行促進・皮膚保湿剤「ヒルドイド」の連結売上高に対する比率は、平成28年9月期で5割を超えております。有力な商品の出現や後発医薬品の出現により売上高が減少した場合は、業績又は財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

1つの製品に売上高の半分を依存しているって非常に怖い。会社としてはヒルドイドの保湿効果が口コミで広がるのは悪い気はしないかもしれませんがそもそもそれは誤った使用方法によるもので、副作用による訴訟や風評、国の保険適用外対象になったりするなどして他の競合品に後れを取ったとしたら、、。私なら頭を抱えてしまいます。

なので会社がプレスリリースを発表するという事態になったのかもしれません。(普通に考えて会社がプレスを出すって相当な事態だと思います)

医師が処方しなければいいのでは?・・どうもそう簡単ではないようです。

まず明らかに発赤・発疹、痛み・そう痒等の悪化が見られていない場合、加齢や気候の変化等に伴う皮膚の乾燥や美容目的の場合には、

「あなた病気じゃないので薬はだせません」

こんな医師の鶴の一声で処方しなくても良くなりますが、実は厄介な事例もあるようです。いまや病院にも口コミサイトがある時代。もしヒルドイドの処方を断ったりしたら、医者としての腕ではなく、自分の美容目的に使おうとしていた薬が手に入らなかったという理由でボロカスに叩かれるのではないか。そう考えてしまいます。

まさかそんな事はさすがにないか。そう思っていましたが、そのような事態は実際に起こってしまっているようです。

ヒルドイドの美容目的での処方を断った医療関係者 嫌がらせ被害も

http://news.livedoor.com/article/detail/13836616/

 

ヒルドイド代替の市販薬。その違いは塗り心地。

ヒルドイドの保湿効果は高く、使用者の評価も高いそうですが、美容目的では使用はできませんので、日常的なスキンケアにおいてはヒルドイドと主原料が近い市販薬を使用すればいいのではという意見があります。

ヒルドイドの保湿作用に大きく寄与しているのはヘパリン類似物質なるもので、配合割合は0.3%。そしてドラッグストアに行けばヘパリン類似物質が0.3%のクリームやローションが売っています。ただ添加物が違うそうで、それによってヒルドイドとも塗り心地が違うとの事。

ヒルドイド自体もソフト軟膏、クリーム、ローションと疾病の状態によって医師が使い分けているそうです。

そこで全てではありませんが、市販薬とヒルドイドの塗り心地を検証してみました。

私の娘がアトピー性皮膚炎でステロイドと一緒に処方されているのはヒルドイドソフト軟膏がメインです。

そしてドラッグストアにおいてある主な市販薬で、私が試してみたのは以下になります。

1.HPクリーム:GSK

価格:25g 1,300円程度

2.へパソフトプラス:ロート製薬:タイプ:クリーム

価格:50g 900円程度

3.へパリペア:ロート製薬:タイプ:ローション

価格:150ml 3,000円程度

※以下は個人の、しかも男性の感想です。参考程度にお願いいたします。

まとめ:医療補助が必要な人に、負担が少なく適切な治療を受けられるように

・健康保険組合連合会は保湿剤の保険適用範囲縮小で医療費負担を減らしたい、

・マルホは自社主力製品にケチがつき、売上を落としたくない、

・医師は美容目的の場合は保湿剤の処方を辞めるべきだが風評をながされるため実際は動けないかもしれない。

↓ではどうすれば良いか。

・美容目的でヘパリン類似物質配合の保湿剤が欲しい人は通院を自粛し、ドラッグストアで複数の市販品を検討してほしい。

or

・病気ではないので日々のスキンケアを行い、自己免疫で対応してほしい。

 

私の場合は娘が小児性アトピー性皮膚炎という事もあり、ステロイドとヒルドイドの同時処方ですが、先生から指示された用法だと保湿剤は全身にたっぷりと塗れとの事でした。

そのため1週間でステロイドとヒルドイドは使い切るか足りなくなってしまいます。もし足りなくなった場合は市販薬を使用しています(私はHPクリーム派なのですが、妻はへパソフト派です)。

アトピー性皮膚炎はステロイドの辞め方が難しく、子供の免疫、皮膚の防御機構が安定するまで時間がかかるため、使わなければいけない薬の量が非常に多いです。しかし子供の医療費補助制度があるためとても助かっています。

それがもし医療費の増大で私の健康保険組合が解散になったら、ヒルドイドがアトピー性皮膚炎に患者でも保険適用外になったら子供の医療費負担は非常に大きくなります。

そもそも今年に入って健康保険組合の保険料が月3,000円以上上がっているので、すでに組合員の負担は足元で増えている状況です。医療制度の恩恵を非常に受けている子育て家庭からの願いになってしまいますが、今の制度が末永く適切に運営される事を切に願っています。

以上です。
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